人は、特殊な仕事をしていない限りは、アルバイトなり会社員なり、どこかの組織に所属して働くことになります。
そこでは、多種多様な性格の人達の狭間で生きることになります。
会社の上司や部下・同僚の中にソリの合わない人がいたり、取引先のあの人と性格が合わなかったり、権力者たちの圧力や嫌がらせに耐えられずにつぶれてしまう人もいます。
会社を辞める理由の多くを占めるのが「人間関係」でもあるのですから、世の中生きづらいことこの上ありません。
そんな中、自分が働いている会社の人達が、みんないい人たちばかりで気持ちよく仕事ができたら、この上なく幸せですよね。
と、ここまでは「普通の人達が経験する一般的な悩み」について少し書きましたが、世間には一般的な人間からは少し想像できないくらい社会に適合できない人間というのも少なからずいます。
「なぜ、社会に適合できないのか?」
「頑張っているようだが、空回りして上手く周りの環境になじめないやつがいる・・・。」
「どうして、普通の人の感覚からは想像できないくらいひどい人間がいるのか?」
「振り返ってみると、もしかして自分も社会不適合者の一人だった時代があったかも!?」
今回は、その一例としてアルバイト先にいた年上の人が従業員の輪に入れず、退職するにまで至った話と、その理由について詳しくお話したいと思います。
もくじ
はじめは問題なかった!?アルバイト先の人が従業員に嫌われて退職した理由
その人は、2歳年上の男性でした。仮に、最終的にアルバイトを辞めてしまうこの男性の名前をAさんとします。
Aさんは、同時期にアルバイトとして雇われた同年代のBさんと仲良さそうに話していました。
その様子を遠くから見ていた私は、「元気そうな人が入ってきたなあ。」と気楽に捉えていました。
Aさんは、アルバイトとして仕事をはじめた当初から、いろんな従業員の人とも積極的に話をしており、傍から見れば印象の良い青年でした。
入ってきたばかりのAさんのことを「おもしろい」と、好意的に捉えるパートさんもいたほどです。
仕事も、喋りながらですが極端に遅いということもなく、よくある「仕事ができないから下に見られる・バカにされる」という事態にはなりません。
しかし、なぜか徐々にAさんについての陰口を言う人が増え、Aさんを極端に避けたがるような人も出てきていました。
当時の私は、深くAさんと交流することもなかったので、なかなかその変化に気づけませんでした。
しかし、少しずつ、しかし確実にAさんを取り巻く環境は変わっていきます。
「どうして、Aさんの評判が急にガタ落ちし始めたんだ?」
「気が強く意地悪いパートのおばちゃんもいるけれど、イジメられてしまったのかな?」
その後も長らく違和感を感じ続けていた私でしたが、最終的にAさんと同時期に入ってきたBさんと話した時、なぜAさんが周囲の人に嫌われてしまったかが分かりました。
Bさん「このメール見てよ。A君からきたやつなんだけどね・・・。(苦笑)」
メールの内容を見ると、まるでポエムのように自分の気持ちを表した、メチャクチャ長い文章が送られてきていたのです。
その上、メールは一度ではなく、何度も送られてきていました。
他にも、ある日Aさんは感情を露わにして大きな声で叫び声を上げた日もあれば、よく聞くと自分自身についての長々とした話を嬉しそうに従業員の人に、延々と語っていた、なんてこともありました。
結局、従業員から露骨に避けられたり、パートさんみんなから陰口を言われたりしていたAさんは、いつの間にかアルバイトを辞めていなくなってしまいました。
他人との距離感を全く掴めない人間もいる
この話を聞くと、「あり得ないキチガイな人間もいるものだな。」と感じる「普通レベルの人」がたくさんいらっしゃると思います。
確かに、他人との距離感を掴めず、迷惑で意味不明な言動を取ってしまう人は、ある意味キチガイと言うレッテルを貼られてもおかしくありませんし、正しく言い表していると思います。
ただ、Aさん視点から物事を見てみると、はじめは明るくバイト先の人間とも仲良く接しようと努力していたのかもしれません。
現に、入りたての頃はニコニコ笑顔が印象的でしたし、会社の人間とも積極的に話しかけていました。
しかし、結局は自分の行いが半分裏目に出てしまうことになり、バイト先の組織の輪の中に入れませんでした。
コミュニケーションは、他人の気持ちを第一に考えることが絶対条件
Aさんは、当初自分の事を話して、自分の事を知ってもらうという「情報開示」をしていました。
「情報開示」は、実はコミュニケーションにおいて非常に重要な部分で、「情報開示」ができないために人とコミュニケーションがうまくいかない人間もいるくらいです。
しかし、Aさんの場合は、「情報開示」を一方的に限度なくやり過ぎてしまいました。
そして、Aさんが自分の話を好きなだけ相手に話す時、相手の気持ちを考えるという事を全く考慮していなかったはずです。
一方通行では、コミュニケーションは成立しません。
話し相手の立場を客観的に考える余裕があれば、相手が嫌になるくらい自分の話を続けることはないでしょうし、時には話し相手の話を聞いてあげる立場になってあげなくてはなりません。
本来、コミュニケーションはお互いの情報を交換し合って、双方の事を知り合うことが目的です。
Aさんは「コミュニケーションでは相手の気持ちをどのように考えればよいのか?」その点について、ほとんど分からなかったのでしょう。
もしかすると、Aさんは「会話では、相手の気持ちを考慮する事」の重要性について、人生経験上、まだ気づくことができていない状態だったのかもしれません。
「会話とは何か?」と聞かれると、上手く答えられない、的確な返答が返ってこないような気がしてなりません。
感情を常に爆発させていれば、コミュニケーションは成り立たない
会話のコツの1つとして、相手に自分の気持ちが伝わるように、感情豊かに話すというテクニックがあります。
「楽しい」「悲しい」「面白い」「嫌だ」「不機嫌だ」
自分がどういった気持ちなのかを分かりやすく伝える事は、円滑にコミュニケーションを進める助けとなります。
しかし、さきほど挙げたAさんの例では、
「自分の気持ちを分かって!」
と言わんばかりに、自分のその時その時の感情をこれでもかと周囲の人間にぶつけまくっています。
そこには、相手の事を分かろうとする気持ちはほぼゼロに近いです。
あるのは、
「自分の気持ちを知ってもらいたい!」
ただ、それのみです。
たまに自分の感情をさらけ出して言いたい事を言ってしまえば、最後まで聞いてくれるよき友人もいるかもしれません。
しかし、毎日ずっと聞かされるとなると、どんな優しい人でも嫌気がさしてくるのは当然のことです。
いわゆるオレ様キャラなど、そういったキャラクター性が人気の人もいますが、それは周囲の人が不快に感じるほど行き過ぎた行動を取っていないから人気なのです。
自分の話ばかりで、相手の事を全く考えることができない人間には、自然と人が離れていってしまうのです。
「他人の気持ちを考える」という行為があることを知らないAさんが可哀想だった
おそらくAさんは別の組織や人の集まりの場に入ったとしても、再度同じ経験をする可能性が高いです。
「他人の立場に立って気持ちを考える」という行為が、この世に存在することを知るまで、何度も辛い思いを繰り返すでしょう。
「壁にぶつかった時、逃げてもまた同じ壁にぶつかる時が来る。」
こんな言葉を一度は聞いた覚えのある人は多いのではないでしょうか?
なぜ、同じような壁にぶつかるのか?
なぜ、過去に起きたひどい出来事と同じような目に遭うのか?
この原因ですが、実は周りの人間が原因ではなくて、己の勉強不足、自分自身に問題があるケースも意外と多かったりします。
もしかすると、Aさんも家族や周囲の人からあまり関わってもらえない環境で育ったり、ハチャメチャな性格の親の元で育ったのかもしれません。
正しい人との関わり方について全く学べなかったことが、今になって人生の足かせとなっているということも考えられます。
Aさんのせいで嫌な思いをした人からするとモヤモヤすると思いますが、私は普通の人よりも極端に他人の気持ちを考えられないAさんが、逆に可哀相だとも感じました。
Aさん自身の性格が傲慢であれば、それは仕方のない事です。しかし、知らない、気づけない状態が延々と続くというのは、想像してみると心が痛くなり、とても気の毒でもあります。
過去の経験を振り返って反省し、改善する行為は意外と難しい
そう考えると、私たちも勉強不足が原因で、他人に多大な迷惑をかけているかもしれませんよね。
「ああっ、そういえば、最近とんでもなく迷惑な事をあの人にしたっけな・・・。」
「私が子供でひどい態度で接していたのに、あの子は私に優しく接してくれたな・・・。」
自分の過去を振り返って、反省して改善するという行為は、一見簡単そうに見えてなかなかできることではありません。
しかし、何度も同じような嫌な目にあったり、とんでもない人が目の前に現れた時は、自分の行いを顧みる大きなチャンスでもあります。
(ただ、あまりに辛くて精神的に倒れそうな場合は、無理せずその場から離れて休むことが大事です。あまりに精神的に追い込まれ過ぎると、自分を振り返る余裕も、状況を客観視する体力もなくなります。)
Aさんとの出会いは、大きなショックを受けると同時に、私にとって非常に勉強になりました。
「私も周囲の人から見たら、すごく変で関わりにくい人かもしれないな。その証拠に、以前はとんでもないコミュ障だったもんなあ。」
私も人の事を言えたもんじゃありませんが、いつかAさんも人の気持ちを、人一倍思いやれるステキな人になっていてほしいと願うばかりです。
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以前、私は人とまともにしゃべることすらできないコミュ障でした。
その上、一時期は人と話すことはおろか、ヒトの気配を感じただけで怖くなり、涙目になって逃げだしてしまうようなレベルの対人恐怖症でもありました。
しかし、どうにか自分の人生を変えたいと思い、他人と向き合うことに挑戦を続けていました。
その結果、対人恐怖症は改善し、また良い会話教材に出会い、正しい会話のコツについて学んだことで、
「誰とでも仲良くなれる」「仕事もケタ違いに上手くいく」ということを自ら経験しました。
実際に体験して分かったのですが、コミュ力は、才能ではなく鍛えられます。
そして、「会話術を学ぶことで誰でも自分の人生を好転させることができる」という真実を、産まれて初めて思い知ることになったのです。
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