人とフィーリングが合わない、話が合わないと感じる原因は
自分と相手は違う人間だということにある、とお話ししました。
この理由を聞いた人は、「なるほどな。」
と、ひとまずは納得してくれるのですが、
次第に違う疑問が思い浮かんできます。
その疑問とは、
「自分と相手が違うのはなぜか?」
という問いに対する答えです。
今回は、その「自分と相手が違うのはなぜか?」の回答について、
身近な考え方のすれ違いから、現在の世界情勢を具体例にして説明したいと思います。
価値観に違いが生じるのは、異なる文化を持っているから 異文化コミュニケーションを乗り越えよう
突然伺いますが、
あなたは家事は女がするものだと思っていますか?
それとも、家事をする人間がいたら、手伝うのが当然だと思っていますか?
この問いの答えは、人により様々です。
「男性が台所に入るなど考えられない!!」
という古い習慣を家庭で教えられてきた男の子が大人に成長すれば、
答えは前者になります。
逆に、「今は女性も働く時代だから、男性も家事をサポートしないとダメだよ」
という母親の言葉をずっと聞かされてきたような女の子が大人になれば、
後者の回答をするはずです。
そして、上の両極端の教えを貫いてきた男女が結婚したら、どうなるでしょうか?
きっと、女の子は家の事を手伝わない旦那にストレスを溜めていくはずです。
そして、最終的にはしびれを切らし、
「私の家では男が手伝うのが当たり前だったのよ!!」
「ええ!?男が家事をするなんて、そんな屈辱耐えられるかよ!!」
と、言い争いに発展して感情をぶつけ合う結果となるでしょう。
人は、子供の頃から周りの人間に影響を受け、
一人として全く同じ価値観を持つ人間がいないほどの多様性が生まれていきます。
学校の教科書で習うことや、ご近所への挨拶、会社の規則など、
同じ国の市民であれば、みんな同じ考えと価値観を持っているようにも感じますが、
上の例のように、一人一人の持っている「常識」は、時に相違する時がありますよね?
本当の価値観というのは、こうした細かい部分・「こだわり」ともいえる
一人一人が形作ってきた性格の部分のことを言うのです。
人々が分かり合えない理由、
それは全てこのような「文化による価値観の違い」
があるからなのです。
これは何も大げさに言っているわけではなく、
世界情勢・成果の仕組みそのものが証明しています。
例えば、日本は第二次世界大戦後、紛争・戦争とは比較的無縁な
平和国家を築きあげることに成功していますが、
中東・アフリカの国々では未だに紛争・戦争が続いています。
そして、この戦争の原因は、ほとんどが宗教間の考え方の違いが原因になっています。
「私たちの信じる宗派が、本当のイスラム教の後継者なのだ。」
「いや、お前たちの信じている宗派は偽物で、こちらが本物なのだ。」
こんな単純な価値観の違いから、あの大きな紛争は何十年と続いているのです。
私達からすると、「私たちの信じる神のために死ねば天国へ行ける」などといわれ、
それを信じて自爆テロを起こすなど理解不能です。
しかし、あの人達にとっては非常に大切な教えですし、
「そんなバカらしい教えを信じるとは、本当のバカだな。」
なんて言ってしまえば、相手は自分自身の存在を否定されたような気がして、
怒り狂って殺されてしまう可能性もあります。
それほど、中東の人達にとって宗教と言うのは大切なもので、
自分自身を作り上げるために必要不可欠な要素・価値観となっているのです。
あの国々に住む人々は、宗教がなくなれば、
生きる目的を失い、自分の存在価値を見失ってしまうのです。
つまり、中東の人々にとって、自分の信じる宗教を否定され、
それを正当化されることはあってはならないことなのです。
話が少しそれてしまいました。
しかし、育った環境・文化が違えば
人は全く異なった人格・価値観を持つようになるということは
お分かりいただけたのではないでしょうか?
日本では、宗教戦争を引き起こすほどの価値観の違いは発生しないと思いますが、
私たちが経験した「分かり合えない感覚」は、
中東のそれよりも数十倍小さな考え方のズレである、
というイメージが、一番しっくりくるのではないかと思います。
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